【物語】

 

今は昔、

極東の地、八百万の神ありけり。

人、現(うつつ)に棲みけり。神、常世に棲みけり。

荒魂(あらみたま)、和魂(にきたま)、幸魂(さちみたま)、奇魂(くしみたま)、

それを統べたる直霊(なおひ)

一霊四魂の理なり。

すぐれたることは尊きこと善きこと、功(いさお)しきことなどの、優れたるのみを云ふにあらず。

悪しきもの怪しきものなども、世に優れて可畏(おかし)きをば、神と云ふなり。

すなはち、人もまた神になるべし。

 

日本の江戸時代によく似た世界。人間と『人であらざるもの(妖怪、幽霊、八百万の神、仏、など等)』が共存している世界。時にその『人であらざるもの』と人間はお互いの領分を脅かす事があっても何とか上手くやっていた。また、お互いの利益に合う事があれば助け合う事もある。

しかし、ある時期を境に、一部の『人であらざるもの』達の活動が活発化していき、ついには人の領分を脅かすようにまでなっていった。人々は不安に怯え、その感情を糧にしている怨霊は数が爆発的に増えたていった。

しかし、生物とは強いものである。かつて進化の途中、ウイルスなどからの攻防を征したように、他の競争相手を淘汰させたように、人間にも『人であらざるもの』に対抗できる能力に目覚め出した者もいた。
幕府は会津、桑名をはじめとする譜代大名を妖怪対策の守護職に命じ、薩摩、長州、伊達、水戸などの雄藩は藩独自に妖怪対策の開発に取り組んだ。

そんな時勢の中、一人の無名の青年が、形見の魔剣を手に旅をしていた。彼もまた、妖怪に対抗する力を、しかも他のそれとは毛色の違った強力なものを有していた。彼の『人生』は何処から来て何処へ往くのだろう。

 

 

「このまま短い時代≪とき≫を生きますか」

「それとも長い歴史の礎になりますか」

 

選びなさい

人生は選択の連続ですよ?